もう再会の言葉は言えない

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バスはカーブの多い山道を登っていった。 奈々ちゃんが窓の外をキョロキョロ見ながら、 「ねぇ、このあたりじゃなかったっけ、アイツが見つかったの?」 中島君が答えた。 「ああ、使われていなかった古ぼけた御堂の中でな」 会話に愛ちゃんが加わった。 「まさか、あんなことするなんて…」 会話の内容が分からない私は聞いてみた。 「みんな、何の話してるの?」 安藤君が言った。 「何って、良雄のヤツが自…」 あわてた様子で愛ちゃんが手で安藤君の口を塞いで言った。 「何でもない、明日香がいなくなってからのことだから、聞いてもたぶんわかんないよ」 「ふ~ん」 私はちょっと疎外感があったが、愛ちゃんが言うように私が転校した後のことは 聞いてもわからないかもしれない。
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