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そして浅黒く艶やかな肌。
彫の深い顔立ち、
銀色の睫毛は長くその瞳はルビー、
そう、
あのビジョン・ブラッドを
思わせる澄んだ深い赤い色をしていた。
エキゾチックな美貌の持ち主である。
ウリエルは光と闇を扱う。
その為、
死神が刈り取った魂を受け取り、
人間、妖怪、精霊等
ありとあらゆる死者の死亡理由、
宿命寿命時期のリストがある
「死神総本山」
で
その全てを管理する
大天使アズラエルの元へと魂運ぶ役目を担う。
そしてアズラエルの元に運ばれた魂は
神の元へ運ばれ、
転生か、魔界か、天界か、無に返すかそれとも…
次なる魂の行方が決められるのである。
男はフッと微かに笑うと
「いや…
このサナトリウムでの仕事は少々気が滅入ってな。
少しボーっとしていた」
と答え、ウリエルに魂の光の蓮の花を差し出した。
ウリエルは両手でそれを丁寧に受け取ると、
彼の両掌から稲妻を思わせる淡い黄色の光が溢れ、
その光で魂の蓮の花を包み込んだ。
その光はそっと宙に舞い、キラキラと輝く…。
「そうか。あまり思いつめるなよ」
とウリエルは言うとその光と共に消えた。
ウリエルが去った後に優しい風が吹く…。
そして白い椿はそっとその身を震わせた。
男はそっと白椿に右手を伸ばす。
そして優しくその花に触れた。
「…志津音…」
再びその名を呟いた男のオリエンタルブルーの瞳は、
この上なく優しい光を宿し、
静かに輝き始めた。
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