似た者同士が解く呪い

4/20
前へ
/20ページ
次へ
 だけど僕は、高校に入学してすぐつまずいた。  高校の勉強は質も量も、それまでの比ではなかった。やる意味も分からず、興味もわかないままついていけるはずがなかった。親の影響で文系分野は持ちこたえたけれど、理系分野はすぐだめになった。国立である武州大を目指すには、理系分野が完全に首を絞めていた。 「八月から、家庭教師に来てもらわないか?」  二年生の夏休みに入る前、父からそう言われた。それは間違いなく母の意見でもあった。僕には頷く以外の選択肢はなかった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加