ママ800人

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 シロクマやゾウ、ライオンやキリンなどの動物を見たあと、わたしたちはお昼を取ることにした。動物のいるところから離れると、サッカー場みたいに大きな広場がある。わたしたちはそこに100枚以上のビニールシートを広げて腰をおろした。  広場にはわたしたちの他に、シャボン玉を飛ばしているカップルや高校生くらいの女の子4人組、その他にお父さんとお母さんと男の子の3人でフリスビーをしている家族など、けっこうな人がいた。  わたしがその家族を眺めていると、男の子の投げたフリスビーが間違ってわたしのところに転がってきた。 「すみませーん」  男の子のお父さんが手を上げてわたしのところにかけ寄ってきた。  わたしはフリスビーをしばらく眺め、そのお父さんにフリスビーを投げた。お父さんは「ありがとう」と優しくほほえんだ。  わたしはママの方へ向き直し、「みんなで来るとやっぱり楽しいね」と言った。 「本当にそうね」「みんなで食べるお弁当はおいしいね」「また連れてきてあげるよ」――  ママたちはにっこりと笑って、わたしの頭を撫でてからぎゅっとだきしめてくれた。ここからわたしをだきしめるために、しばらくママたちの長い行列ができた。
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