第8章

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「カズ先輩、これ………病院行くまで、冷やしてください」 イッチーがカズくんの肩にアイシングをのせる。 「おっ、さんきゅ……………ってか、そんな顔すんな(苦笑)…………ノリなら大丈夫。あいつ俺より図太いから…………ちゃんとやってくれる」 さっき一瞬見せた狼狽えた表情ではなく、ノリっちにすべてを託したカズくんは落ち着いてイッチーに話していた。 ………うん……………精神面でも随分立派になった…… 1年のときからのカズくんの成長を改めて感じさせられた。 ほんとはまだまだマウンドにいたかったくせに……… 目が合ったカズくんは、私に向けて苦笑いを浮かべた。 ほら、やっぱり……………それでも不安な顔をしているイッチーを落ち着かせるように余裕の顔を見せていた。
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