第8章

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「お疲れ様、ハルちゃん」 傍にやってきたソウタ先輩………顔には書いてある……あと1つ勝たせたかった……って。 でも試合のことには触れず、労いの言葉だけを口にした。 「ハル、3年間お疲れ様」 私の正面にやってきたのはあーちゃん。 ポンポンと私の頭に手をやった。 ちらっとソウタ先輩を見たけど………いつものようにあーちゃんの行為を止めることはしなかった。 「ハル………残念だったな」 私の顔を両手で包み込むようにして自分の方を向かせたのはなっちゃん。 コクンと頷いた私。 包み込んでいた両手の親指で私の目の下を拭ったなっちゃん。 泣いてるつもりはなかったのだが、なっちゃんの親指に拭われたのは間違いなく私の涙だろう。 「ハルーっ」 そんな声と共にむぎゅっと抱き締めたのは、ふーちゃんだろう。 見えないけどちゃんと分かる。
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