第10章

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家に帰ってきたら………なにやら賑やかな声。 俺の“ただいま”の声すら聞こえないくらい。 そっか………ハル、部活引退したんだ。 声をかけ、ようやく俺の帰宅に気付いた2人。 そんな2人に小さかった頃の話を教えてやった。 アキが大事に大事にしていたおもちゃをハルが噛んでた話。 2人とも覚えていなかった。 でも、俺は鮮明に覚えている。 だって、“ハルちゃん、めっ”のナツ兄の一言に大泣きしたハルの顔………忘れられない。 みるみるうちにへの字口になり、大きな目からポロポロと溢れ落ちる涙に………ナツ兄まで涙目になったんだから。 いつも可愛がってたハルを自分が泣かせちゃった…っていうショックが手に取るように分かってしまった。 俺と喧嘩したって、絶対涙なんか見せないナツ兄が…………ハルを泣かせちゃっただけであんな顔するなんて。 …………さすがハル!!!!!
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