第10章

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でも、それだけじゃない。 あんなに大事にしていたお気に入りのおもちゃをアキがハルに渡したこと。 小さいながらもナツ兄の表情に何かを感じたんだろう。 普段なら絶対貸してあげないはずなのに…………そんなアキに………いつもは喧嘩している俺でさえ、ちょっと感動したんだから。 だから、その後いつも貸して欲しがる車のおもちゃをそっとアキに渡したんだ。 あのときの嬉しそうなアキの顔。 可愛かったんだよなぁ………「ふーちゃん、ありがと」って。 今じゃ、俺よりデカいアキに絶対そんなこと思わないんだけど。 それに、もう“ふーちゃん”なんてアキも呼ばないんだけどな。
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