第3章

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庖丁の手さばきはいい。でもなぁ、他は壊滅的にダメ。 「うおっ、あっちぃ!!!」 「あー、フユ兄………なんで味噌汁温めるだけなのに沸騰させてんだよ」 朝、ナツ兄が作っていってくれた味噌汁。 ただ温めるだけなのに、なぜか吹き零れんばかりに沸騰させるフユ兄。 「なんでだろ!?」 頭を傾げながらフユ兄は不思議顔。 「あーっ、それはやらなくていい!!!」 冷蔵庫から取り出し、ハンバーグのボウルの中に手を突っ込もうとしていたフユ兄を全力で止めた。 「えーっ!?なんで??………これでハンバーグ作るんだろ???」 そうだけど…………手先は器用だけど、焼かせたりしたら それはもう食えるもんじゃなくなってしまうだろう。 せっかく、ナツ兄とハルが下準備していってくれたのに。 「それは俺がやるから…………フユ兄はこの辺の洗い物やって……………ああっ、だからハンバーグは触んなってー」 「なんだよ………せっかくハルにハート型のハンバーグ作ってあげようと思ったのに…………」 また、変なことをやろうとしていた。
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