第4章

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母さんの作ったオムライスか……… 俺は思い出していた。 ………………………………………………………………………………………… 「うわぁぁぁぁん」 2階の部屋で漫画を読んでいた時に聞こえてきた泣き声。 読んでいた漫画を閉じ、下へと降りた。 「仕方がないでしょ………ナツはお友だちとのお約束なの……………ほら、ナツ早く行きなさい。タクトくん待ってるわよ………タクトくんのお母さんによろしくね」 ハルに言い聞かせながら、そしてナツ兄を促していた。 「うん…………ハル、帰ってきたらまたやろうね」 ぐずぐずと泣いているハルに伝えながら、ナツ兄はゆっくりと玄関に向かった。 行きづらいんだろうな。 小4だった俺にもそのくらいは理解できた。 「いってらっしゃい」 「いってきます………フユ、ハルのことお願いな」 そんなナツ兄にこくんと頷いた。
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