1 入学、そして再会

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そうして話は本当になんでもない方向へ。 「そういやさ、最近聞かないよな」 「なにがー?」 「ほら、“シルバー”だよ。銀の強欲」 「そういえばそうだね。アイは知ってる?銀の強欲っていう盗賊団」 こっちにふられてドキリとした。 そりゃあもちろん、嫌というほど知っている。一つ頷けば、だよねという声が返ってきた。 「盗んだものは数知れず。狙った獲物は絶対に逃さず、手段は選ばない。人殺しだって平気でするような連中だよ」 「最近じゃ全然聞かなくなったよな。捕まったのか?」 「それだとニュースになるんじゃないの?有名だし」 「あそっか」 「一時期すごかったもんね」 銀の強欲が活発に動いていた時期、指名手配されてその名が知れ渡ったときに、銀からとっていつの間にかシルバーと呼ばれるようになっていた。 シルバーはどこへでも行く。狙った得物が、そこにあるというのなら。 「別の国に逃げたのかなあ?」 「あれは世界規模で手配されている。どこへ逃げても同じだろう」 「なんにせよ、名前を聞かないのは平和な証拠だよ。早く捕まればいいけど」 シルバーは、捕まらない。
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