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「「遅くなりましたー」」
せーので開けた、閉められた教室の扉。
廊下はしんとしていて、すでにHR的なのが始まっていると理解した。
一斉に向けられた視線。それが皆オバケでも見たような顔で俺は笑いそうになった。
「遅い、大体なんで教室にいな・・・い」
さっきはいなかった担任っぽい教師まで目を見開いて見てくるから、俺は少し苦笑い。
そりゃあ、全く同じ顔が並んでたら驚くよね。しかもかの有名なヴィストン家の子息だし。俺も吃驚したよ、自分が目の前にいたんだから。
離れて暮らしてたのに、こうも違わないんだねえ。
「「すみませんでした」」
揃えたわけじゃないのに声が揃う。
そのまま許しもなく席に向かうとケイがこっちこっちと笑顔で引っ張ってきた。
ケイがさっき一緒にいた三人の後ろに座らされる。後で紹介するねと言われた。
「・・・んっふん。えー、二人は後で私のところに来るように」
「「はーい」」
たぶん行かないけどね俺は。
「そこの遅刻組のためにもう一度言おう。私はこのSクラスの担任になったエマ・ビッツだ。担当は歴史学。よろしく」
口調は何だか男勝り、金のロングヘアーにブルーの瞳。綺麗な人だけど、たぶん強い人。
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