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「そこの二人も自己紹介してもらおうか。・・・茶色、の方がヴィストン、だな?」
「ケイラー・ヴィストンです。ケイラーでいいですよ先生」
「あ、ああ。属性とかもついでに言っておけ」
「もちろん火ですね」
「だな。じゃあ次は・・・」
そう言ってエマ先生は俺に目を向けてきた。
意図が分かってケイに代わり立ち上がる。
「黒い方のアイラー・エルセイナです」
「ぶふっ、」
「ちょっとなんで笑うの」
「く、黒い方ってお前っ・・・!」
だって、俺達を見分けるのって髪色くらいしかないんだもん。ケイが茶色で、俺が黒。瞳の色はどっちも赤だしさあ。
ちなみに笑ったのはあれね、水の五大貴族のアルティナね。
「アイラーは外部生だったな」
「はい。あ、先に言っときますけど、ケイラー君とは赤の他人なんで」
「そ、そうか?」
「あ、属性は火と闇が使えます」
「闇か、珍しいな」
「どーもー」
勝手に座ると、先生も話を先に進めてくれた。
こっそりと隣に座るケイが耳打ちしてくる。
「ねえ、赤の他人なんて無理ない?」
「え?」
「だって僕達一卵性」
「・・・」
「・・・」
「まあ、ね」
「ね」
無理あるよねえ。
まあでもしょうがない。本当のことなんて言えないからね。
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