3 シルバー

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へー、二年ではこんなこと習うんだあ。自分の持っている教科書との違いにわりと興味津々。身体動かすのも好きだけど、こうみえて読書とかも結構好きだからね。知識が自分のものになっていく感覚が好きだった。 そうは言ってもこの教科書にかかれていることはすでにほとんど知ってることだ。 パラパラしていると、風呂場の気配が移動してくるのが分かった。上がったみたい。……え、こんなんも二年で習うの?遅すぎじゃね? 学園って思った以上にゆっるいなあ。 部屋の主は俺の存在に気付いているようで、驚いた様子もなく部屋に入ってきた。いっつもアポなしだからな。 「こら、それ俺の教材だバカ」  「二年も教えてんだっけ?」 「一教科だけな」 「ふーん」 教科書をテーブルに戻して、部屋の主に視線を送る。程よく鍛えぬかれた上半身は裸のまま。 そいつは、何時間か前にも会っていた人物……。 「……ぶはッ」 「……なんだよ」 「だ、だってお前、眼鏡似合いすぎっ……はははッ!」 「そんな面白いか?」 「面白いよ!ちゃんと教師みたいだった!……ぶははッ」 教師だわ、今は。 そんな突っ込みを頂くけど、お前が教師とかこれ以上笑えることってないよ。 なあ? 「————メビアスせーんせ……?」 ……ぶはッ。
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