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今は眼鏡は外しているけど……まあ本来はそんなものしていないが、この部屋の主は紛れもなく、本日最後の授業で監督していた総合技術の担当、メビアス・アレジー。
元々爽やか顔ではあるが、あの嘘くさい笑みは今は皆無。元々知ってる人間から見たら、絶対教師には思えない。
「でもなんで眼鏡?」
「なんでって、教師っぽいだろ」
「えー、安直……」
「やかましい。バレるよりマシだろ」
まーねー。でも大丈夫だって、あれはバレないわ。ちゃんと教師に見えるし……ぶふっ。
「つーか、お前の方がなんだよあれ」
「あれ?……どれ?」
「ケイラー・ヴィストンだよ」
「あー、メビ初めて見たんだっけ?ど?そっくりっしょ?」
「そっくりどころかお前が二人いるみたいで変な気分だったわ」
「まー、一卵性だからね」
「……聞いてないぞ」
「そだっけ?」
そんなたいしたお話でもないでしょうに。
メビは俺のたくさんいる血の繋がらない身内の一人。俺が拾われた時からずっと一緒に暮らしいている。二十代も後半だからそう年は近くない、だからずっと俺の兄貴みたいな感じだ。世話焼きだしね。
「双子よりそっくりだな」
「あれは二卵性だもんね」
双子っていうのは、今の俺の身内の双子のこと。自分達以外の双子を見たのはあれが初めてだった。似てなくはないけど、俺とケイ程じゃない。あれは中身がそっくりな双子だな。よくハモってる。
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