3 シルバー

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「お前が貴族の餓鬼とか、今じゃ笑いもんだよな」 「自分でも笑えるもんな」 「ケイラー・ヴィストン見るまで、すっかり忘れてたけどなあ」 安心しろ、本人ですら忘れてたから。 だからって何が変わるわけでもあるまいに。ティナですらあんな感じなんだから、あんまり関係ないのかもしれないけどな。 「……あ、つかよ、あのエイルとリーアっつー餓鬼って、」 「ああ、総帝と闇帝だろうな……やっぱ分かる?」 「何度か遭遇してんだろ。俺は人の顔も魔力も覚えんのは得意だぞ」 「人をズボラみたいに言うんじゃねーよ」 俺だって何となくは覚えてたわ!まさか同い年で、しかもこんなとこで会うなんて思わねえだろうが。そもそも顔なんて見えてなかっただろ。 「仲良くなっちゃった」 「随分嬉しそうに言うじゃねえか」 「うん」 友達だもん。もう。 しょうがないじゃん? 「……バレんなよ?」 「努力はするよ」 ちょっとはスリルある方が楽しいだろ?バレない自信とかないし、どうなるかなんて分かんないけど、楽しいことは大好きよ。なんでも楽しくしちゃうところも性分だ。 よく愉快犯って言われるけど、知るか違うわ。 俺の今の友好関係狭いんよー?これ以上友達いなくなったらぼっちになっちゃう。……別にいいか。
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