3 シルバー

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「今回もだろうな」 「ああ」 「あれでおびき出そうとしてるつもり?」 「どうだろうな。目的が分からん」 誰が、何の目的で。こんな性懲りもなく。 これでシルバーが捕まると思ってんのか。馬鹿にしやがって。 「まあでもさ、」 「ん?」 「そろそろ……売られた喧嘩は買わねえとな」 顔に、笑顔が貼りつくのが分かる。無意識に口角が上がった。 どうしよう、すっごく楽しいな。 「さーんせい」 前の二回は無視だった。誰一人偵察にも行っていなかったし、手も出していない。だけどいい加減にはしてほしいから。 沽券に関わるし。 「そうと決まれば、ささっと服着れば?」 「お前も準備しろ」 「へいへい」 ウエストポーチから、投擲用のナイフを三本、短剣を一本取り出す。 平べったいバッグのどこにそんなものが入るんだ、って思うかもしれないけど、このバッグは魔導具の一種。収納魔法が施されたそれは、見た目と容量は同じじゃない。要するにめっちゃ入る、と。何でも入ってるからねこれ。 縦長のウエストポーチ、そこにはあらかじめナイフがセット出来るような作りになってる。ナイフはそこに。短剣はポーチが垂れ下がっている反対側、右側ベルト部分にセット。 それからそれから、一個の指輪とマントを引っ張り出す。
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