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さっそくエイルが切り出してくる。
大したことじゃないんだけどね?とケイが前置き。そう、別に大したことじゃない。
ちらりとケイの方を見て、目が合う。それから同じタイミングで三人を見た。
「さっき、赤の他人だって言ったんだけど」
「実は正真正銘、僕達双子の兄弟なんだ」
「「「・・・・・」」」
「「ねー?」」
口を半開きにして、なんとも間抜け面の三人。
しばらく沈黙が続いたかと思うと、ティナの耳をつんざくような叫び声が部屋中に響き渡った。
「きききっ、兄弟!?」
「うん」
「ふふふっ、双子だと!?」
「うん、一卵性」
「はああぁぁぁぁぁぁ!?」
ティナうるさい。
別に大したことじゃないって言ったのに。
「・・・驚いたな」
「・・・だね。じゃあ、アイもヴィストン家の?」
「そうだよ。五歳まではね」
「五歳まで・・・?」
「うん。五歳の誕生日に捨てられたから、もうヴィストン家とは関係ないよ」
あの日に俺は死んだことになってるし、戸籍もなくなってる。それでも今こうやって学園に通えるのは、まあ大人の汚い事情ってやつだ。
何故か暗い顔の三人に、俺は明るく笑って見せた。
「気にしなくていいよ。もう十年も前の話だし、親代わりの人にここまで育ててもらった。何より・・・」
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