1 入学、そして再会

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横には今、ケイがいる。 ずっと離れて、存在すらあやふやで。会えることすら期待していなかった片割れ。 「アーイっ」 ぎゅっと抱きついてくるケイ。 それに俺も満たされる。 「俺は、愛されるために生まれてきたからね」 そう言っておちゃらけて笑って見せれば、ようやく三人も笑顔を見せてくれた。 そう言って、俺に言い聞かせてくれる人がいたから。そう言って、たくさん愛してくれた人がいたから。 俺は、自分の存在を否定しなくて済んだんだ。 「そっか」 「にしてもそっくりだな」 「一卵性の双子に会ったの初めてだ」 「へへへーん」 俺もケイも、それ以上は深く話さなかった。三人とも、深く聞いてこなかったから。 捨てられた。 それだけで分かったんだろう。俺が今まで歩んできた道。ケイの思いも。 いい奴等だと思った。 それはケイの友達だからに他ならない。これからは俺も、友達になれるといいな。 それからは本当にたわいもない話で盛り上がった。 ケイとティナはここで小等部からお世話になってるけど、エイルとリーアは中等部からの編入組だってこと。 エイルはやんわりとしていてまとめ役、リーアは男らしくてお兄さんタイプ、ティナは貴族とは思えないくらい話しやすいし、馬鹿だ。 色んなことが分かった。
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