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「・・・どうしたの?」
ケイがこっそり聞いてくる。
伝わってしまったんだ、俺の気持ちが。それを察してくれる。
「なんでもないよ」
あの頃は、ケイには何でも言えたのに。
今はもう、俺もケイも子供じゃない。大人でもないけど、大人の階段は上り始めている。言えないことが出来てしまった。
嘘も、ここでは必要なんだ。
「明日から授業でしょ?俺、学校って初めてだから不安で仕方ない」
「僕教えてあげる!」
「学年トップツーもいるぞ」
「なんでも聞いてね」
「俺にも教えてくれ!」
わあ、心強いティナ以外。
そもそも編入試験はパスできたわけだし、自力でSクラスにも入れたんだから心配なんてないんだけどね。
勉強もそれ以外もスパルタな人に見てもらってたからなあ。
そのまま明日の話になった。
高等部からは実技が増えるらしい。それなりに実戦に近いことを勉強していくんだとか。行く行くは軍やギルドに所属したりする人が多いから、そのために。
高等部の実力って、どんなもんなんだろう。
大人ばかっかりの生活だったからな。やっぱり手を抜いたりすることも考えないといけないのかもしれない。
・・・・・あれ、なんか面倒臭いな。
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