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ティナが腹減ったとごねるから、四人で寮にある食堂で昼夜兼用のご飯を食べることになった。絶対夜中にお腹減ってくるパターンだよね。
元々人気者の四人は食堂でもやっぱりキャーキャー言われて注目の的。そこにケイそっくりの俺が混じっていることも興奮の要因だったらしい。
正直ご飯どころじゃありませんでした。四人は慣れてるみたいだったけど。
そのまま三人とは解散して、俺はまたケイの部屋に一緒に戻る。積もる話とか、お互いもう少し話したかったんだ。
「アイー、なんか飲む?」
「なんかあるの?」
「わりとなんでもあるよー」
「じゃあ紅茶ー・・・って、ケイ淹れれるの?」
「それぐらいできるよ!」
ごめんごめんと謝りながらケイが紅茶を用意してくれている姿をソファーからじっと眺める。
それだけのことが、なんだか嬉しい。
ようやくセットをお盆に乗せて運んできたケイは、笑って待っていた俺の前にそれを置いた。
「おまたせっ」
「ありがと」
西部の紅茶なんだろう、渋味は少なくほのかな甘みが口に広がる。鼻を通る香りも悪くない。いいもの使ってるなあ。
ケイも一息つくと、口を開く。
長い長い夜が始まった。
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