1 入学、そして再会

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俺も辛かった。ケイはもっと辛かったかもしれない。 それでも許してあげて。あの人達は悪くない。大人だっただけなんだ。貴族だっただけだから。 「・・・あっちが謝ってきたら、許す」 「うん、それでいいよ」 「アイにもだからね!」 「そ、それは難しいかな」 「やだ!そこは譲らない!」 「分かったよもー」 これから先何があるか分からない。二度と会うつもりはないけど、もしかしたら。 「ねえ、色々聞かせてよ。俺がいなくなってからの家での話とか、それまでの学校のこととか」 「家は何も面白いことはないよ」 「それでもいいよ」 「・・・代わりにアイもどんな風に過ごしてきたのか教えてね?」 「何も面白いことはないけど、それでもいいならね」 両親達は相変わらず。父は厳しく、母は病弱で。でもちゃんと愛してくれた。じいやも相変わらずで。パーティの面倒臭さとかも。 学校の話は嬉々として教えてくれた。ティナとの出逢い。エイルとリーアとの出逢い。それまでの日々。 そうやって、ケイは生きてきたんだ。俺のいないところで。 「あっ、エイルとリーアはね、ギルドに所属してるんだよ!」 「え、あの年で?」 「なんでも親がギルドのお偉いさんらしいよ」
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