1 入学、そして再会

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それからなんとなく昔みたいに二人でお風呂に入って、昔みたいに二人でケイのベッドに潜り込んだ。 部屋も広いからやっぱりベッドも相応のサイズで、二人が寝るには問題ない大きさだった。 「ほんとに、昔に戻ったみたいだね」 「ね」 それからもたわいもない話は続いた。 お喋りが止まって、すぐそばで寝息が聞こえてきたのは本当に遅い時間。どちらかといえば夜型の俺はまだ起きていられた。 俺の知らない話でも、ケイがそばにいてくれるだけで満足だった。 「・・・・・ケイ?」 薄暗い闇のなかで、ケイの寝顔が見える。寝ちゃったか。 変わってないなあ。おそらく俺と同じ、まだあどけなさの残る寝顔。無意識に手が伸びて、頭を撫でる。 その刹那。 ─────ギクリとした。 咄嗟に手を引いて、自分の手を凝視する。自身のそれが、赤黒い何かで染まっているように見えたから。 もちろんそれは錯覚だ。分かってる。 十二分に理解していても、そばにいると思い知らされる。 ああ、やっぱり俺達は住む世界が違うんだね。 俺の両手は、洗っても洗っても落ちない赤が染み付いている。ケイが知らない、裏の世界。俺がそばにいたら、ケイまで汚してしまいそうだと思った。 赤のついていたと思った手をぎゅっと握る。強く。
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