1 入学、そして再会

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ねえ、ケイ。 俺はケイが思っているより綺麗な俺じゃないんだよ。 もう何も知らないなんて言えない。子どもだなんて言い訳もできなくなった。やっぱりここは、俺の居ていい場所じゃないのかもしれない。 だって俺は、早く大人になりたかったから。俺もあそこで、役に立ちたかったんだよ。 自覚はある。だけど今までの自分を否定はしない。もう受け入れてしまった。今さら変われない。変わろうとも、最早思えない。 いつかまた、ケイとさよならしないといけない時がくるかもしれない。 ここに来たのは、学ぶためでもケイに会うためでもない。その時が来たら俺は、別れを選ぶだろうな。 ケイと同じくらい、大切なものができてしまった。そのためだけに俺はここに来たんだから。 でも、だけど。 「せめて、今だけは」 片割れのそばにいさせて。 絶対に穢さないと誓うから。 やっと会えた兄弟だから。 まだ分からない先のことを考えて、今日何度目かも分からない涙を流した。 もう戻れない。こうなってしまったのは必然だ。今の俺を受け入れてくれる家族がいるから。 戻ることも、俺は望まない。 こんな俺でごめんね。 残虐な兄で、ごめん。 ごめんね、ケイ。
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