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教室に入れば、すでにパラパラと人が座っていた。どうも席は自由なようで丁度空いていた窓際の一番後ろを陣取ってみる。
さっきのスクリーンで見た感じ、他のクラスよりもこのSクラスは人数が少ないみたいだった。それだけ厳選しているのか、それともなにか基準があるのかは分からないけど。
それでもそこにいる生徒で特に目を惹く人はいなかった。Sクラスっていうから、ちょっとは期待したのになあ。
そんな悠長なことを思っていられたのは、本当に一瞬だった。
「あ、ここだよ」
「講堂からだとちょっと遠いな」
「あー!入学式ダルかったなあ」
「担任誰なんだろうね?」
そんな声と共に、教室内も廊下すらも浮き足たつ。たぶん廊下はもっと前から煩かった。
その四人がおそらく最後だった。そうして廊下が騒がしかった原因も、その四人。
「今年もあの四人と同じクラス・・・!」
「えへっ、そのためにあたし勉強頑張ったもんね~」
クラス内からはそんな声が。
廊下からは、たぶん彼等の名前であろうそれが口々に叫ばれる。
「エイル君ー!」
「リーアくうーん!」
「アルティナさまーあ!」
「───ケイラー様っ!」
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