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あつい抱擁を受け止める。
小さな背中に、俺もそっと腕を回した。
「生きてた・・・生きてたっ!」
「うん」
「絶対っ、どこかで生きてるって」
「うん」
「っ、・・・アイィィィ!!」
泣いてる、のかな。
泣いてるよね。俺が泣いてるんだから。
顔がそっくりなのは当たり前。
存在が大きいのは当たり前。
だって俺達は、一卵性の双子なんだから。
よかった。
よかった。
俺も、きっとずっと会いたかったんだ。また会えて本当によかったよ。
子供の頃と変わらない泣き方。それって成長してないってことなんじゃないかなって思ったけど、それは後で言ってやろう。
「グズッ、は、鼻が詰まった」
「あ、鼻水出てるよ」
「ティッシュ」
「持ってない!」
「僕持ってた」
「もー、」
ケイからポケットティッシュを奪い取って鼻水を拭いてあげる。鼻の下が真っ赤になって思わず笑った。
「でも、ほんと吃驚した」
「俺はたぶんいると思ってた」
「だからかな。なんかずっと胸がドキドキしてて」
「俺もケイがこっち来るときそんな感じだった」
「ふふっ」
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