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コウジロウは妻と別れた。
妻とは大学時代からの仲間で、勤めた会社も一緒だった。
そして、妻は自分よりいつも優秀だった。
だからこそ妻とは結婚したのかもしれない。
妻は、いつもコウジロウの取り組みに熱心に協力をしてくれた。
コウジロウと妻は、アンドロイドの研究者だった。
妻は、アンドロイドはアンドロイドとして考えていた。
それと違い、コウジロウは「理想の人間」を作ろうと考えていた。
例えば、アンドロイドの肌の色について、妻は皮膚の代替となるやわらかい特殊プラスチックに色を付ければ良いと考えていたのに対し、コウジロウは人間の自然な肌を再現し、その結果として肌色に見えるように、と人間の肌を作り上げることにこだわった。
コウジロウと妻は結婚する前からすれ違っていた。
それはコウジロウの一方的な原因によるものであった。
そもそも、コウジロウは妻に愛情を感じておらず、自分の研究の協力者としてしか見ていなかった。
二人の間に、共同研究者としての関係以上のものはなかった。
コウジロウは、職場での仕事とは別に、自ら一体のアンドロイド作成に取り組んでいた。
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