チョコレート
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「勝った」とか「負けた」とかではなく。 「はい、どうぞ」 と、銀紙に包まれたチョコレートを、息子が私に差し出して来る。 私は、それを鍋に視線を向けながら受け取った。 そうしないと、本当に泣き出してしまいそうだった。 「楽しみだね、カレー」 「うん」 姉と息子の声が、後ろから聞こえた。
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