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「お前、働き過ぎじゃないのか?最近寝たの何時だよ。何の研究してんのか知らないけど、作業台に張り付いて食事も摂らないなんておかしいぜ。」
「お前は何も言わずに仕事をしていればいい。」
「……倒れても知らねえぞ。」
この男は私の研究が何を意味するかまるで知らない。
これは優秀な私に課せられた任務であり、この研究所の未来を左右する重要なものなのだ。
知っているものは所長と私、国の上層部の連中だけだ。
課せられた任務を淡々とこなすだけ。
それだけなのに…
頭の中を支配するのは、前に1度だけ見た人体実験のこと…
私が作った薬で多数の人間が痛み、苦しみ、そして憎しみの中で溶けて消えていった…
…人間はとても脆くて儚くて…そして残酷だ。
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