1.○○○○に遭遇してしまった日

13/47
前へ
/273ページ
次へ
   そのおかげか平和的でない刷り込み――幼稚園、小学校時代の「ブス!」「チビ!」「オトコ女!」などという同年代男子の心ない誹謗中傷にもめげず屈さず(理解はしていてもムカつくのだ)、自尊心を守り抜けたと思っている。  そのためには足の速さと腕っ節の強さという武器も存分に利用させてもらった。   そして中学に上がって、運命の大親友――柚葉との出会い。  漆黒のロングストレートヘアのスラリとした色白清楚系美人。  不思議なことに、そんな彼女と何もかも真逆を行く自分が仲良くなるのにそう時間はかからなかった。  ここでも容赦なく比べられるような発言(特に陰口)が飛んできたが、さすがに取っ組み合いのケンカをするのは憚られ、「完全あきらめ」「無関心」というスキルで防御する術を学んだ。  大半は成功していたように思える。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

220人が本棚に入れています
本棚に追加