1.○○○○に遭遇してしまった日

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 そんな外見問題などどうでもよくなるくらい大好きで、大切な親友。  受けた恩も決して小さくはないもので……。  どうやって報いたらいいのだろう、こんな自分に恩返しなんてできるのかな、といつも考えるけれど。 (やっぱ幸せになってもらわないと、でしょ)  それにはやはり「あの計画」を!と爛々と目を輝かせ心躍らせながら、大きく二段目アイスにかぶりついた。  ふと――  自分たちを追い越して数歩先を歩いていた中年男性がチラリと振り返るのを目にする。  まただ、と思ってしまった。  通りすがりの人に振り返られるのも今日は何度目だろう。  見ると、前方からこちらの方へ向かって来ている若い男性の二人連れも、遊歩道の端に据えられたベンチに腰掛けているカップルも、何やらこちらにチラチラ視線を向けているような……。
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