1.○○○○に遭遇してしまった日

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(うわー変な取り合わせー、とか思われてんだろーなー。綺麗なコに変なのがくっついてるー、とか)  柚葉を二度見三度見するヤローの視線はもう見慣れたものだし、そのすっかり慣れてしまった衆目にいちいち傷付いたりする繊細な神経などもすでに持ち合わせてはいない。  いない……のだが。  あらためて自分もちろりと隣の柚葉を見上げる。  そういえばなぜか今日はやたらと親友が綺麗に見えてしょうがない。 (あんな映画(モン)観ちゃったせいか?)  眉根を寄せてわずかに首を傾げた瞬間。  やわらかな太陽光を受けて、柚葉の白い頬がキラリと光った。  よく見ると整った形の眉もいつもよりくっきりとしているような――。 「……柚葉、お化粧してる?」 「あ、気付いた? 濃すぎたかな?」
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