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「えー……」
かなり不満たらたらのようだが何とか思いとどまらせ、コスメポーチを元どおりトートバッグの中に仕舞わせることに成功する。
(……どうせ美人さんにゃ、わからんよ)
気付かれないほど薄く短いため息がこぼれた。
気を取り直して二段目のストロベリーアイスを攻略し終え、彩香はもう一度整った横顔を見上げた。
「でもホントに綺麗……。明日からそれで学校行っちゃいなよ」
「ええ? ムリ。校則違反になるよ」
くすくすと持ち前の柔和な笑みが返ってくる。
表情にはもう少しも怒りの色が残っていない。
「ちょっとくらいなっちゃってもいいじゃん。ていうか、してるコいるし」
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