1.○○○○に遭遇してしまった日

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 が――。  何を隠そう親友の柚葉も彼に想いを寄せるひとり。  黄色い声こそあげないものの、それはもう一途に、見ているこちらが泣けてくるくらいひたむきに彼を見つめているのだ。 「そろそろさ、見てるだけっての飽きてこない?」  思わず本音がぽろりとこぼれてしまった。  おっと?声に出ちゃってたか、と気付くも時すでに遅し。 「えっ」  まあよし、ぽろりついでに続けちゃえ、っていうかそのまま計画の一端にしてしまえ、といっそ開き直ることにする。 「今年こそはぜひとも告白にこぎ着けてはどうかと――」 「む、むりむりっ」 (やっぱな……)  わかっちゃいたが予想どおりすぎる反応に、つい空を仰ぐ。
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