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軽く陶酔しながらも何か違うぞと思い至り、ぐりんと頭を振って親友の顔を覗き込んだ。
「もーう、いいんじゃない? 一年見つめつづけたんだからさ」
黙って物陰から見てないでぶつかっていきなよ、というのだ。
「え……ええと」
お決まりの狼狽えたような反応に、ちっまだ駄目か、と心の中で軽く舌打ち。
「じゃあさ、明日もし同じクラスになれてたら頑張ってみるっての、どう?」
(我ながらナイス!)
まあ、もし別クラスでもそのときはそのとき。
何か別なエサでこうして背中を押すことになるとは思うが。
心の中でへろっと舌を出しながら提案する横で、柚葉は伏し目がちに微笑んだ。
「……自信、ない」
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