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「う……わっ!?」
突然、視界が大回転した。
倒れ込んだ衝撃の後には――鼻先に土と草の匂い。
頬と手のひらには芝生の感触。
「いっ……たあぁぁ……」
柚葉の警告も間に合わず、振り向きざま何か大きなものにつまずいて前のめりに転んでしまっていた。
「彩香っ、大丈夫!?」
駆け寄ってきて膝をつく柚葉の心配そうな声は聞こえるが、体勢に問題アリなのか未だに顔を上げられない。
――が。
かなりの大転倒で体もしこたま打ち付けた(と思った)はずなのに。
(……あれ?)
思わず呻き声を上げてしまったが、実際は身体中どこにも痛みは感じなかった。
それどころか、倒れこんだ先には何やら温かくやわらかい感触が――。
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