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「ほ、ホントにすみません……! 前ちゃんと見てなくて、あの……っ」
「や。いいって。こんなトコで横になってた俺も悪い」
染めても加工してもいなさそうなまっさらで黒々とした短髪を大雑把にはたき、梳きほぐして、事もなげに青年は言うが。
無意識なのだろうか……。
先ほどからずっと左手は腹部を擦っているように見える。
「お、おケガとか……だ、大丈夫でしょうか?」
まともに上に乗っかってしまっていた気がする。
退くときにヘンな呻き声も聞こえてたような……。
ど、どどどどうしよう、内臓とか無事だろうか? これはひょっとしてニュースものか?
裁判沙汰か?慰謝料とか!?
――などなど、もはや悪い想定しか出てこない。
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