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冷や汗タラタラでおそるおそる腹部を指差す彩香に気付いて、ああ……と少年は微かに笑ったようだった。
「大丈夫。コレは別件で……。てか、そっちこそケガなかった?」
少し長めの前髪から覗く形の良い目が、ほんの一瞬彩香をとらえる。
「――!」
ガラにもなくどきりとしてしまった。
にわかに活発に鳴り出した心臓をなだめるように、手は無意識にそっと胸のあたりを押さえにかかる。
「え、痛い? もしかしてどっか――」
「あ……い、いえっ! 大丈――ぜ、全然ですっ」
ハイジャンのマットに落ち慣れている分、一般的な女子に比べたら頑丈なハズだ。
実際、本当にどこにも痛みはないし――。
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