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(スゲー? ……見た目が悪すぎて凄いってこと?)
何となく立ち上がるタイミングを逸してしまったことに気付いてはいたが、衝撃を奥底に沈め込んで冷たさでコーティングした一瞥だけを返す。
「だ……だって、あんだけダイナミックにコケといてアイスは放さないとか、もうね……ぶはは……サ、サイコーじゃん?」
言い終わらないうちに再びこみ上げてきた笑いをなんとか堪らえつつ、青年は左手にしっかり握られたままだったアイスを指差してきた。
「え……あ」
見ると、欠けも汚れもせず、かなり溶けかけではあるが最後の段のバニラがきちんとコーンに単座している。
空いた右手のひらやら両膝やらは気付けば結構土草にまみれているというのに。
(た、確かに……。うわあ、我ながらなんて食い意地だ……)
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