0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、俺と梦は同じ段にいて、あと6段。
「ジャーンケーン、ポン!」
梦はチョキを出し、俺はーーーー。
「やったぁ!」
握りしめられた拳を見つめて、俺は、数分前の梦の心情をようやく思い知らされた。
「ち、よ、こ、れ、い、と」
嬉しそうに、梦は階段を上がり、俺を振り返った。
「とと、帰ろう!」
彼女の言葉に、市も立ち上がった。
二人は、帰る気満々だ。
どうしよう。これは、思ったよりも悔しいぞ。
「梦、もう一回やらねー?」
「やだ。帰って、かかの作ったチョコレート食べる~」
二人は、おやつおやつと、騒いでいた。
そう、出掛ける前に、おやつはチョコレートケーキだと言われていた。
「チョコレート……」
やけ食い決定。
最初のコメントを投稿しよう!