1

3/3
前へ
/3ページ
次へ
そして、俺と梦は同じ段にいて、あと6段。 「ジャーンケーン、ポン!」 梦はチョキを出し、俺はーーーー。 「やったぁ!」 握りしめられた拳を見つめて、俺は、数分前の梦の心情をようやく思い知らされた。 「ち、よ、こ、れ、い、と」 嬉しそうに、梦は階段を上がり、俺を振り返った。 「とと、帰ろう!」 彼女の言葉に、市も立ち上がった。 二人は、帰る気満々だ。 どうしよう。これは、思ったよりも悔しいぞ。 「梦、もう一回やらねー?」 「やだ。帰って、かかの作ったチョコレート食べる~」 二人は、おやつおやつと、騒いでいた。 そう、出掛ける前に、おやつはチョコレートケーキだと言われていた。 「チョコレート……」 やけ食い決定。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加