麻薬

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彼女はその場でしゃがみ込み空を見つめていた。 ただ 空だけを けれど、その中には 何の感情もない。 何故ならそんな感情覚えていないから。 どのくらいそうしていただろう。 時間の感覚がない。 時間の必要性もわからない。 その内、彼女はゆっくりと立ち上がり、フラフラと歩き始めた。 ただ 何となく… ただ 水色だけの世界の中を… 疲れるという事も無いから、何処までも、飽きるまで。 飽きるという感情もないままに。 フラフラと何処までも歩いた。 立ち止まり 歩き 座る 彼女はそれだけを繰り返した。 それ以外此処ではする事もなかったから。
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