第2章 犬も食わない

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~ *** ~ 正直、彼の態度には、軽いショックを受けるほど呆れずにはいられなかった。 しかも昨夜は、ベッドに彼が来るのを待たずに眠ってしまい、 翌朝、目覚めてみると、隣に寝た形跡がない。 それどころか、彼の姿は、もうどこにも見られなかった。 顔を合わせたくないってこと?  だけど、いくら五つも年下といえど、これは、あまりにも子供っぽくない? そんな彼の態度に更にムッとしたものを覚えつつ 私は、黙々と出勤の準備を始めた。 こうして、どこかムシャクシャした気持ちを抱えたまま一日が始まり、 迎えた昼休み。 「ねぇ、安奈ちゃん。明後日のことなんだけどね」 私は、彼女をランチに誘い、彼とのケンカの理由だけを伏せて 素直に昨夜の失敗を話して詫びる。
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