第2章 犬も食わない

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すると、「珍しいね」と私たちのケンカのことを小さく苦笑した彼女に ポツンと言われた。 「でもさ、カンちゃんの言い分も一理あるかも」 えっ……?  思わず、声が詰まった。 しかし、そんな私を前に千奈美は続ける。 「まぁ、夏海が、安奈ちゃんたちに恩を感じてるのも、 彼らに、なんとか上手くいって欲しいっていうのも分かるけど、 そこは、男と女じゃん。 キューピッドになるっていうならまだしも、 離れかけてるカップルに周りがアレコレしても、って感じじゃない?」 「それは……」 いつも通り的確な指摘に、正直、言葉がない。
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