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その上、
「何よりさ、あれだけ夏海命のカンちゃんだもん。
きっと、寂しかったんだと思うよ。
まぁ、それを上手く表せないっていうのもカンちゃんらしいし、
つい自分より相手を優先しちゃうのも、夏海らしいけどね」
見てもいない彼の様子までズバリと読まれ、もうグウの音も出ない。
そして、その日。
結婚以来、初めて一人となるマンションに戻り、
寝室に入って、思わず彼の枕に視線を落とした。
確かに、この数週間、私の頭の中の半分は安奈ちゃんたちの事で
占められていたと思う。
だからといって、彼を疎かに扱ったつもりはない。
だが思い返すと、やっぱり週末を重ねる毎に、彼の笑顔が減っていたの
かもしれない。
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