第2章 犬も食わない

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ただいま。 玄関から小さく声が聞こえると同時に、私は、キッチンから駆け出て行った。 「お帰り、冠くん」 笑顔で迎えに出てきた私に、彼は、少し驚いたような面持ちになる。 そしてそんな彼に、私は続けた。 「ごめんね、冠くん」 「えっ……?」 「もう、安奈ちゃんたちの事は、頼まれない限り何もしないことにしたよ」 だが、まだ驚きと不安をない交ぜにしたような彼に、 私は、「だから」と続ける。 「これからのお休みは、また冠くんだけと一緒」
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