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ナッちゃん……。
小さく呟いた彼の顔が、ほんの微かに歪んだ。
そして、
「ギュッてしていい?」
ちょっと揺れる瞳を上目遣いに向けられ、頷き返すと同時に
思いっきり抱きしめられた。
「ナッちゃん、僕もごめんね。でも、でも僕……」
言葉尻を消した彼が、私の肩に顔を埋める。
そんな彼の大きな背中を、私は、そっと抱きしめ返した。
「冠くんは、何も悪くないでしょ? 今回は、私が考えなさ過ぎたんだもの」
許してくれる?
尋ねた私に、彼が肩の上でコクンと頷く。そして、
「ナッちゃん」
「ん?」
「好き」
「うん、私も好き」
「ナッちゃん、大好き」
「私も、大好き」
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