第2章 犬も食わない

21/21
前へ
/38ページ
次へ
「ナッちゃん」 「ん?」 「今夜、エッチしてもいい?」 「うん。でも、その前に部屋に入って、ご飯にしない?」 「うん。でも、ご飯食べて一緒にお風呂に入ったら、 僕、今日は、いっぱいナッちゃん舐めたい」 フフッ……。 なんだか本当に子犬のようなことを言われ、思わず細く笑いが零れた。 「じゃあ、今夜は私も、冠くん、いっぱい舐めてもいい?」 しかし、その答えの代わりに彼のお腹が盛大に鳴った。 そして、 「ご飯にしよっか」 うん。 頷きながら腕が緩められ、やっと私の大好きなあの笑顔が 目の前に戻ってきてくれた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加