第3章  春のバースデーと初夏のお休み

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そして、予想通り。 私たちは、まだひと気のない公園を独り占め状態。 「すごく、きれい」 ベンチにお弁当を挟んで腰を下ろし、すぐ目の前で咲き誇る桜を見ながら 思わずため息が零れる。 「早起きして、良かったですね」 うん。 笑顔で頷きながら、彼に温かいコーヒーを手渡す。 そして、ゆっくりと朝食を始めながら、しみじみと思った。 「去年の今頃だったね、冠くんと出会ったの」 「うん。でも僕には、すごくラッキーな再会でしたけど」 そして、嬉しそうにトーストを頬張る彼を前に、 やっぱり細く笑いが零れてくる。
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