第3章  春のバースデーと初夏のお休み

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しかし、 「大丈夫。今年だけは、早出を条件にマネージャーに頼み込んで 残業ナシにしてもらうから。 それに安奈ちゃんも、張り切って協力するって言ってくれてるし」 しかし、これを口にして、私はハッとある事を思いだした。 「ねぇ、冠くん。ちょっと話が変わるけど、響くんから何か聞いてない?」 しかし「えっ?」とキョトンとする彼に、私は淡く苦笑を返した。 「実はね、やっぱり安奈ちゃんたち、ダメになっちゃったらしくてね」 「そう、なんですか……」 どうやら初耳だったようで、彼が小さく言葉を詰まらせる。 そして、少し複雑な面持ちになった彼に、私は静かに言った。
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